第13章 意外と出来る子なんです
鼻血も止まりリヴァイに支えられながら団員達と一緒に整列した
それをエルヴィンが確認して前に出る
「結果は見ての通りだな…
カナコはリヴァイから立体起動を教わっていたんだな 体の操り方がよく似ていた 戦闘員になる気はないのか?」
「何をクソみたいな事をいってやがる コイツを戦闘員にする事は俺が絶対にゆるさねぇ!」
すぐにエルヴィンをにらみ付けリヴァイは声を荒げた
そんなリヴァイを無視してエルヴィンは私を見る
「カナコに聞いている」
「エルヴィンてめぇ…」
殺気を放つリヴァイと顔色ひとつ変えないエルヴィンがにらみ合う
広場の空気は2人が放つ殺気でヒリヒリと肌が焼けつきそうな感じがした
いつもならミケかハンジが止めにはいるのに他の団員と同じで2人の殺気にあてられているのか微動だにしない
原因は私だから私が納めるしかないんだろうな…
私はリヴァイの隣から離れてエルヴィンの前に立った
。。。。。。。。。。
にらみ合う2人の殺気に当てられてもカナコはいつも通りに穏やかな表情でエルヴィンの前に立った
肌がヒリつくあの殺気の中エルヴィンとリヴァイの間に立てたものだと私だけでなく他の団員も驚いていたと思う
「エルヴィン分隊長 私に人類の為に捧げる心臓はありません
5年前に私の全てをリヴァイに捧げました なので戦闘員にはなりません 諦めてください」
エルヴィンが更に冷たい目でカナコを見る…
並の団員なら鳥肌ものだ
その視線を受け止めたカナコはエルヴィンを真っ直ぐに見て少し微笑んだ
「私からも質問しますリヴァイが入団する時に出した条件は私を連れて行く事と私を戦わせない事でした
それを承知したのはエルヴィン分隊長でしたがその条件を無かった事にするつもりですか?」
冷ややかな目をしたエルヴィンと対峙して自分の意見を言うカナコに団員達は息を飲んだ
「そうだなリヴァイの条件を受け入れたのは俺の方だったな… 戦闘員の話は諦める事にしよう
では遊びは終わりだ 各班は訓練に戻れ!」
エルヴィンの凛とした声が響き遊びはお開きになった
立体起動の腕前
エルヴィンの前で自分の意見を真っ直ぐに言ったカナコの度胸
エルヴィンからカナコの入団の経緯が語られた事もあって
カナコへの中傷を聞く事はだいぶん減った