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【進撃の巨人】月と青い鳥

第13章 意外と出来る子なんです



草が擦れて青臭い臭いがする

地下街で失敗した時はコンクリートの壁に叩きつけられたから息も出来ないくらいの激痛だったけど

今回は土だから壁に比べればそんなに痛くはないけど…30人以上の団員に見られた事の恥ずかしさのダメージの方がかなり痛い…

リヴァイに挑発されてむきになった結果
土の上に無様に転がっている…



「カナコ!大丈夫かい」

ハンジがしゃがみ私の背中に手を置いて顔を近づけた

「恥ずかしくて顔上げられない…」

「なに言ってんのカナコは3位だよ!」

「えっ!3位!」

「だから恥ずかしくないよ…起きれるかい?」


ハンジの手を借りて体を起こし地面にペタリと座る

草の上を滑ったせいで 服は草の汁と土が着いてぐちゃぐちゃだ 手がヒリヒリするから見ると両手は擦り傷だらけで血がでていた


「馬鹿か…頑張りすぎだ」

リヴァイがいつの間にか隣に座っていて 濡れたハンカチで 草の汁と土で汚れた顔を拭いてくれた


色んな所が痛いけど3位という結果は凄く嬉しい 嬉しくて興奮したら 生暖かな感触がして鼻の奥から何かが溢れた…


「リヴァイ…私…3位だって」


嬉しいけど顔が痛くてふにゃふにゃとしか笑えてない私の顔を見てリヴァイは呆れたように笑った

「あぁ 頑張ったな…
だが無茶苦茶しすぎだ…鼻血が出てる」


顔を拭いていたハンカチを鼻にあてたリヴァイの目が本当に心配していて「ごめんなさい」の気持ちはあるけど ニヤニヤが止まらない


頑張ったな…だって


近づいたミケがハンカチを赤く染めながらニヤニヤと笑う私を見て眉間にシワを寄せる

「おい…大丈夫かコイツ笑ってるぞ 頭を打ったのか?」

と言った事は覚えておく事にした












。。。。。。。。。。



カナコがリヴァイから傷の手当を受けている間に 分隊ごとに団員が整列した



最後に加速して疾風のように巨大樹から飛び出してきたカナコに皆が驚き 離れた場所で手当を受けているカナコをチラチラと見ている



「ナナバ最後惜しかったね」

後ろに立つジゼルが言った

最後の一射で私の死角から飛び出したカナコに抜かれた…
柔らかくしなる後ろ姿がリヴァイと重なった

しかも追い抜く瞬間カナコは私を見たのだ 私を確認して距離をとった


あの一射は完全に私の負けだった



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