第13章 意外と出来る子なんです
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「よかったねモブリットの思惑通りになったじゃないか」
世話係を任命され 怪我の看病をしてもらい 縫製係の準備や早朝の訓練など モブリットは兵団の中ではカナコと一緒にいる時間が多い だから勝手な噂話や悪口に心を痛めていた
「あれは話に乗ってくれたリヴァイとエルヴィン分隊長の演技のお陰ですよ
まさかあそこまで本気でするとは思いませんでしたが…」
「確かにあの時の殺気はすごかったね」
カナコはあの後 呑気に惚気ていた
『地上に来てからリヴァイは少し丸くなったからね…地下街でのリヴァイはあんな感じだったから 久しぶりに見れてドキドキしちゃった』
『地下ではそんなに神経を研ぎ澄まして生活をしてたの?』
『10歳の頃からリヴァイは1人で生きていたんだよ キレイな仕事をしてた訳じゃない
私と出逢ったのがリヴァイが15歳の時で私を養う為に汚れ仕事を沢山してくれたと思う それに私をずっと守ってくれてたし…凄く大変だったと思うよ
だから私はリヴァイがどんなに手を汚しても心は汚れないように闇に飲み込まれないように抱きしめて守っていきたいって思ってた…』
王都の地下街…
憲兵団ですら把握できているのは一部だけで 奥に潜れば潜るほど闇は深く治安も悪いと聞いていた
あの4人はその地下街の奥で名の知れた窃盗団で リヴァイはリーダーだったと聞いていた 確かに3人は面構えが違っていた 生きる事に貪欲で手を汚す事もいとわない…
地上にいる私達には無い底知れない雰囲気が確かにあった
その中でカナコだけは闇を感じさせない柔からな光のような雰囲気で それが私は不思議で興味深かった
エルヴィンから巨人もいない平和な異世界から何故からこの世界へ来てしまった迷子だと聞かされた話に驚きはしたけど同時に すとん と腑に落ちた
そのくらいカナコは3人とも私達とも違う空気をまとっていたから
リヴァイがカナコを離せない理由は分かる あの柔らかく温かな光のようなカナコを1度でも胸に抱いたら離したくはなくなるだろう…
愛せる人がいるのはいい事だね
モブリットが淹れてくれたコーヒーを飲みながら窓の下を見ると カナコがいつもよりお洒落をして歩いているのが見えた