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【進撃の巨人】月と青い鳥

第12章 悲しみの底






「ファーランとイザベルが見た景色を見たい」






無理だと思ったけどリヴァイにお願いしたら 意外にも壁の上からならと許可がおりた


動いてくれたのはエルヴィンで壁の上にある砲台の点検の時に同行できるように団長に話してくれたらしい


エルヴィンは私の事を団長にリヴァイの嫁と報告はしたけど異世界人だという事は隠していた

地下街でまともな教育を受けていないから この世界の常識を知らない世間知らずだと説明していた事を今回の件で初めて知った

私が調査兵団の一員としての自覚と常識を教える為に 壁の外にいる巨人を見せる事がいい勉強になるのでは…と進言したらしい



確かにこの世界の事は知らないから世間知らずですが…

なんか…もうちょっと言い方があったのでは?


と 思ったけど許可を取ってくれたからぐっと我慢した
















それから数日後リフトに乗せてもらい壁の上へ立った


壁の上に登り遮る物がない横に広い景色を久しぶりに見た

髪を揺らす風が気持ち良くて両手を広げて空と大地を真っ直ぐに見つめる


「すごい…


調査兵団の背中に着いている紋章がなんで翼なのか分かった!

こんなに広い景色を見たら自由に鳥みたいに翼を広げて空を翔びたくなるよね」


両手を広げて興奮する私にエルヴィンは少し驚いた顔をした


「そうだったな忘れていたよ

ウォール・マリアの門から初めて出た瞬間に広がる壁外の美しさに 遮る壁のない景色に俺も一瞬目を奪われた」

「ファーランもイザベルも今のカナコみたいな顔をしてたな」

「そうか2人もか…いつか私でも馬で壁外へと自由に出られるような世界になったらいいね」

「あぁ…この世界を巨人から取り戻す為に結成された それが調査兵団だ」


真っ直ぐに前を見つめてそう言いきったエルヴィンからは炎のようなオーラが立ち上がっていて リヴァイが

『エルヴィンの見ている世界を見たい』

と言った気持ちが分かった


新しい時代を作っていくカリスマの傍に居たい 支えてあげたいと私でも胸が震えて熱くなる

そんなエルヴィンのオーラに私は魅せられて目が離せない



エルヴィンに見とれている私の頭をコツンとリヴァイが叩くから振り向くと

少しだけ眉間にシワを寄せてヤキモチを妬いていた


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