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【進撃の巨人】月と青い鳥

第12章 悲しみの底



。。。。。。。。。。


月明かりでキラキラと輝く涙はポロポロと瞳から溢れた


「俺はこれまでも これからも俺はカナコだけを愛している…」


膝をついてカナコの左手を取り自分の左手と絡ませ指輪にキスをした


「なんかプロポーズみてぇだな」


俺が照れ笑いをすると カナコも泣きながら笑うから不細工な笑顔になった
そんな顔ですら愛しく思ってしまう

『ずいぶん惚れ込んでるんだな』

さっきミケから言われた言葉が浮かんだ


そうだな惚れているのは俺の方だ…


「ほら返事は?」


「私も…愛してる」


5年ぶりのプロポーズと誓いのキスをした



唇を離しカナコを抱きしめるとカナコの心に溜まった悲しみが一気に溢れ出てしまい カナコは子供のように ワーン と声をあげて号泣しだした


その声に驚いて隠れて見ていたハンジが駆け寄ってきた



「もう大丈夫だ 泣きたいだけ泣かせたら落ち着くから 心配させて悪かった エルヴィンとミケにもありがとうと伝えてくれよ」


「ええっ! なんか感動するなぁ リヴァイから感謝されるなんてねぇ!!ねぇねぇ!」

「うるせぇクソメガネ」

「あぁ…ごめんね はいこれ エルヴィンが着ていたのだけど使ってよ リヴァイも寒いでしょ?私達はもう部屋に帰るから
それと幹部棟の風呂に熱いお湯を入れておくから カナコが落ち着いたら一緒に入りなよ」


騒がしくて優しいクソメガネは俺の肩にエルヴィンのカーディガンを掛けて「じゃあね」と言って去っていった



それからしばらくの間カナコは泣き続けた


俺より背の高いカナコが俺の腕の中で小さく震える 背中を撫で何度も艶やかな黒い髪にキスを落とした




























**********


夜中の徘徊はあの夜に散々泣いて涙と一緒に溜まっていた色んな感情を吐き出してからは無くなった

あの日から毎日私の部屋に泊まりにきてくれたのも心が安定した要因だと思う


私は幼い時から両親に甘える事が出来なかった


「カナコはもっと我儘になっていい 少しは俺を困らせてみろよ」


リヴァイの言葉に胸の奥にある黒く重たい過去が少し軽くなった



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