第12章 悲しみの底
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大部屋の一角にある二段ベッド近づくと ゆっくりとリヴァイが体を起こした
「さすがだな…」
気配を消したつもりだったが…気付いたか
「俺は男は趣味じゃねぇよ」
「俺もそんな趣味はない…ちょと来い急ぎだ」
リヴァイは靴を履きカーディガンを羽織り大人しくついてきた
兵舎を出てからカナコを見た状況を伝えると リヴァイは眉間にシワを寄せた
「他に男がいたらどうする?」
「それはねぇ」
「ずいぶんと惚れ込んでるんだな」
リヴァイは左手の薬指に着けた指輪を見た
「あぁ…惚れ込んでるよ だから俺はカナコを疑わねぇよ」
そうだった…あの日地下街で初めて会った時からこの2人は深く思い合っていた
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予想通りカナコは中庭に来ていた 冷たい石畳の上を裸足で歩くカナコが心配で何度も声をかけたい衝動を押さえながらついていく
カナコが毎日のように世話をしている花壇の前で立ち止まると育てている野菜や花の葉や小さな実に触れている
エルヴィンを見ると顔を歪めていた
「エルヴィンは何か知ってるの?」
「カナコは幼い頃に親に捨てられているそれが原因で 1人になる事に異常なくらい怖がるらしい
1度だけだがカナコが襲われた後 俺とミケは突然泣き叫ぶカナコを見た
リヴァイはカナコをしっかり抱きしめて「1人じゃない大丈夫だ」とずっと言い聞かせて 後の2人もカナコの頭や肩に触れていた
彼らが言うにはカナコは不安や恐怖 寂しさを異常なくらい感じるが それを心配かけまいと我慢する
そしてその我慢が限界を超えて溢れると…」
「異常行動がでる?」
「あぁ…だからあの行動は…」
「……俺が我慢をさせたからだ」
絞り出すような声が聞こえて振り返ると寝間着にカーディガンを羽織ったリヴァイは私達の横を通り過ぎた