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【進撃の巨人】月と青い鳥

第10章 出発



同じ名前だから私が勝手におじいさんだと思っていたら モブリットのジルさんは若かった


色々な種類の紅茶や ジルさんオリジナルのブレンド紅茶の匂いを嗅がせてもらい

2つまで絞り込み悩んでいたら

「モブリットが初めてこんな綺麗な女性を連れて来たんだ この2種類を淹れてあげるよ」

モブリットのおかげで特別に試飲までさせてくれる事になった

店の奥に通されると そこはジルさんの休憩所で丸いテーブルに椅子が2脚あった


そこの壁一面に棚があって沢山のティーセットやティーカップが並べてあり 私はその棚に夢中になる

「これは売り物なんですか?」

「あぁ…一応売り物だね 僕のじいさんの趣味で以前は売っていたんだ でも親父や俺は紅茶は好きだけど食器には興味が無くてね 売れないから奥に移動してそのままだよ たまに拭いて手入れはしてるからいいのがあったら安くするよ」

ジルさんは紅茶を淹れに さらに奥の部屋に入った


『カナコは顔や目に感情が出て分かりやすい』


今回も私の目はキラキラしていたんだと思う


「気になるみたいだね」


モブリットは足が浮腫んで痛みがあるのか 私が座らなかった椅子に捻挫した足を乗せた

「痛みはそんなに無いから大丈夫 調査に行ったみんなが帰還したら また忙しくなって外出なんか出来なくなるんだから 遠慮しないでちゃんとしっかり見ていいよ」

いつもハンジに振り回されてるように見えるけど ちゃんと周りの事も見ていて すごく優秀なんだよね…
だからハンジはモブリットを側に置いてると思う


「じゃあ お言葉に甘えてしっかり見る でも待つのに飽きたら言ってね 」



おじいさんが集めてたって言ってたから骨董品とまではいかないけど 陶器の店で見た商品よりはレトロ感がある


全体に模様や花が描かれてたり シンプルな白磁や青磁なんかもある
カップが花のように開いた形もあれば少し高さのある物や丸くコロンとした物もあって おじいさんの好みは広かった



「紅茶をどうぞ」

ジルさんが試飲の紅茶を淹れてくれた
ブレンド紅茶と北部で採れた紅茶だ


どちらも香りがすごく華やかだった でも北部の方はほんの少し苦味が舌の奥に残る感じが気になる

私がちょっと首を傾けたのをジルさんは見逃さず「苦味が残る?」と聞くから私は素直にうなずいた




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