第9章 これが正解? (最終話)
日の光加減によるとお昼といったところだろうか、少しだけ部屋の中に熱気が立ち込めている。
ガチャガチャ。
音のする方に目をやろうとすると「あ!起きたのかハニー!」と平凡な恋人の声が聞こえてきた。ニコニコしながら近寄ってくる恋人に対して恐怖なのかわからない感情を抱いていた。
「よかった……!カラ松!あっ、あのね!なんか拘束されてて動けないの、怖くて、なにがあったかわかんなくて、助けてっ……。」
何かおかしいとは感じながらも恋人であるカラ松が来てくれたのは幸いだった。きっと私を見つけ出してくれたのかもしれない。と安堵したところだった。
「ん?どうした?怖いことなんてなにもないぞ?」
目の前の恋人は私の前のへニコニコしながら近づいてくる。その目は狂気的なまでにギラギラと光っていた。
「カ、カラ松??どうしたの?……。」
ここまで言ってよく考えた。カラ松がここにくる時、そういえば鍵を普通に開けていた。心配している様子もなく私に普通に話しかけて来ている。
「ハニーちょっと聞いてくれないか?今調度、家に行って昨日の夜、ハニーと出かけている話をしていたところだ。そして、俺と暮らすことになったからと言って出てきた。」
私の話を遮って、淡々と話し出すカラ松に私は恐怖を覚えていた。体がガタガタと震え出す。いくら恋人だと言っても目の前にいるこの人はいつもの優しいカラ松とは違う。