第5章 目の前にあなたの顔
「ありがとうみちる!!」
涙目になったカラ松が私の手を握って力を込めた瞬間。ゴーッっと音がしてジェットコースターが落ちていった。
「あー楽しかった!!」
「あー本当に死ぬかと思った〜。みちるがいてくれてよかった。ジェットコースターは怖くなかったんだが、別の意味で怖かった。」
かっこいいカラ松はどこへやら、だけど安心しきって私のことを頼ってくれるカラ松はとっても可愛かった。
「私カラ松のそういうところも好きだよ」
とボソっと呟くも本人は聞こえない様子で、今日はもう家に帰りたい。と話している様だった。その後も動物を触るコーナーで癒されたり、あっちこっちのアトラクションに乗っているともうすでにあたりは暗くなってきて、遊園地の中の人も少なくなってきた。
「カラ松そろそろ帰ろうか!」
「あぁ、ハニー帰るか。」
満面の笑みで私の手をとるカラ松。胸がくすぐったい。この幸せ、いつまでも終わらないでそう思いながら、手を取った。