第3章 夜勤に行きたくない。
「みちる!よかった!迷惑かもしれないが、弁当を忘れたら腹が減るだろうと思って持ってきたんだ。」私は会社で疲れていたのもあったせいで思わずカラ松に抱きついてしまった。
「うおっ!」
「嬉しくて抱きついてしまいました!ごめんなさい。カラ松さんありがとうございます。まさか持ってきてもらえるなんて!嬉しいです!歩きできたんですか?」
「あっああ、みちるが弁当を忘れたのに気がついて、このままだったら腹が減って辛いんじゃないかと思ってな。」
「本当にありがとうございます!」
「大丈夫か?夜勤はこんな時間にも働かないといけないんだな。」
「そうなんです。でも大丈夫ですよ!カラ松さんがお弁当を届けてくれたおかげで元気になりました。」
「そうか?それは持って着た甲斐があったな。」カラ松は嬉しそうに笑って帰ろうとしていた。
「カラ松さん!?」
「なんだ?」
「歩いて帰ろうとしてます?」
「あぁ、このまま歩いて帰るつもりだが?」
「そんなのだめです!タクシーを呼ぶので待っていてください!」
「いや、そんなのいらないぞ?俺のことは良いから仕事に戻って大丈夫だ。」
「ええ、そんなカラ松さん。」
「俺は歩いてゆっくり帰るから、気にせず仕事を続けてくれ。みちる。」カラ松はそういうと手を銃みたいにバーンとして、去っていた。
「何それ、カッコよすぎ……。」私は自分の顔が赤くなるのを感じた。カラ松が自分のために弁当を届けてくれるのも、まさか歩いてきているとも思わなかった。私のために色々やってくれすぎじゃないかなって思う。家の中のものは気がついたら片付いているし、洗濯も今日やろうと思ったらカラ松がやっていた。私はボーーーっとした気持ちのまま夜勤を続けた。