第2章 そんな理由での逆トリだったとは……。
カラ松サイド
みちるさんはとても優しい。でも時折不思議なことがある。パーカーが出てきたり、明らかに何かの嘘をついている。俺はそれに気がつかないふりをしているが、なぜ彼女はこんな嘘をつくのだろうか。でもこの場所での生活はとても楽しい。最初の頃は、兄弟たちがいないことに少しだけ寂しいなんて思いもあったし、帰れなかったらどうしようって不安もあったが、ここには優しくしてくれる女性もいるし、今の生活はそこまで悪いものではない。
実際兄弟たちに会うよりも今の生活の方が楽しいと思ってしまっている自分がいることに気がついていた。そんなことを考えているよりも、今の生活をどうにかしないといけないとは思っている。ずっとここにいるのはいいのか……?いても、みちるさんはいてもいいとは言ったが、それでもやっぱりずっとここにいるのは迷惑ではないのか?そんなことを考えながら、髪を乾かしていると、自然と笑みがこぼれてきた。
異世界に来て案外よかったのかもしれない。兄弟に馬鹿にされることもないし、痛がられることもない、なんならみちるさんに好きになってもらえるように行動してみよう。とても優しい彼女のことだから受け入れてくれるに違いない。今日の夕食は何にしようかな?なんて考えながら、俺はもう少し、この世界にとどまっていたいなと感じていた。