第15章 初恋 前編【伊黒小芭内】
その日の夜、小芭内は夢を見た。
「先輩、大好きよ。」
そう艶っぽく囁いた陽華の、伸ばされた手が小芭内の胸の辺りを優しく撫でる。その柔らかな感触にビクッと身体を震わせ、反応する小芭内。
そのまま臆して後ろに下がる足が縺れ、その場に尻もちを付くと、その身体の上に陽華が覆いかぶさってきた。
触れた先から、陽華の柔らかな感触と温もりが伝わってくる。
「ま、待てっ!だから俺は……お前とは……、」
慌てて払い除けようとするが、身体が金縛りにてもあったようで動けない。
次第に陽華の身体が、小芭内の身体にピタリと密着し、柔らかな膨らみを感じ取ると、自分の身体が否応なしに反応していくのを感じた。
「先輩のここ、もうこんなになってますね。」
陽華の艶っぽい視線が、小芭内の下半身へと向く。
「いや…違っ、これは………、」
「先輩、私嬉しいです。こんなに反応してくれて……、」
覆いかぶさる陽華の唇が小芭内が耳元へと近づき、熱い吐息が掛かる。
「私も興奮してきちゃった♡」
陽華は首筋へとゆっくりと移動しながら、その細くて華奢な指先を小芭内の下半身、期待に高鳴り熱持って膨らんだソレを、布越しにゆっくりとなぞり上げた。
「う…、くっ……、」
その感触にゾクリと身体が震える。小芭内の口からは苦痛にも似た吐息が漏れ出た。
(どうしんだ俺は…払いのけられない。…まさか…期待してるのか?俺はこの状況を……、)
優しく触れる指の先から、優しく掌全体に覆われて、ズルリと擦られるように何度も刺激されてしまえば、小芭内のソレは否応なしに熱を持ち、ドクンと波打つ。
擦られるたびに、ビクビクと身体が震え、下半身が熱くて堪らない。
「も、もう…、辞め…、」