第13章 進物 完結編【※冨岡義勇】
「わわっ、見ないでください!」
義勇に腕を拘束されて、隠すことも出来ないまま、陽華が慌てふためく。
しかしその上では義勇が、待ちわびた光景の、その予想を上回る姿に、静かに息を呑んでいた。
薄い布地の、その下から姿を見せたのは、陽華の鍛え抜かれ引き締まった肢体と眩しいほどの白い肌。
脇から腰にかけての曲線は、思わず目を奪われるほどに艶めかしく、そしてその胸元には、程よい重量を持った、ぷるんと弾けそうに張りのある二つの果実……、
思わず義勇は、
「・・・意外とあるな。」
と呟いた。
「え!?」
突然、義勇から放たれた一言に、陽華の顔が一瞬で悲しみに染まる。
「ひ、ひどいです、義勇さんまでっ!私だって、脱いだら凄いんですからぁーーー!!」
涙目でそう訴える陽華に、義勇は苦笑いで返すと、「そんなに怒るな。」となだめるように声を掛ける。
そして、陽華の耳元に近づくと、小さく囁いた。
「確かに凄いな。…今…凄く興奮してる。」
「ふぇ?…こ、こうふん?」
まさかの返しに目をぱちくりとさせる。そんな陽華の胸元に、義勇は静かに口づけた。
「ひゃっ!」
思わず、声を上げて身体を震わす。
しかし、興奮してくれたということは、お気に召して貰えたと言うことだろうか?
陽華は胸元に顔を埋める義勇の頭に喋りかけた。
「あのっ…、これは合格ということで宜しいでしょうか?」
「ん?合格?」
予想もしてなかった単語が飛び出し、義勇が顔を上げて首をひねる。
「はい…凄く不安だったんです!義勇さんの好みじゃなかったら、どうしようって…、」
まさか、そんなことを思って躊躇していたのかと、思わず笑ってしまいそうになる。しかし、陽華のあまりに必死な形相に、笑いを飲み込んだ。
「俺はそんなことで、人を判断しない。……それにお前だったら、俺は…どんなのだろうが……、」
たとえ、くびれなしの寸胴でも、表面の凹凸が皆無であっても、それなりに興奮出来る自信がある。