• テキストサイズ

【鬼滅の刃】屋烏之愛【新装版】

第13章 進物 完結編【※冨岡義勇】





「陽華、有難う……、」

陽華の首筋に顔を埋めたまま、消え入りそうな声で小さく囁く。

すると突然、陽華が義勇の頭を優しく撫でた。義勇が驚き、顔を上げる。

「何をしている?」

「…甘やかすなって言うけど、義勇さんもたまには甘えたいかなぁ?って…、」

別に甘えたくて言ったわけではないのだが、相変わらず予想だにしない行動をしてくる。

でも陽華の他意のない、優しい笑顔を見ていると、そんな気持ちにもなる。

「甘えていいのか?」

「はい、大丈夫です!義勇さんが甘えたいのなら、ドンと来てくださいっ!私、甘えん坊の弟の面倒を良く見てたので、そういうの得意なんです!全力で受け止めます!」

(……俺は、幼い弟と同類か?)

そんなことが頭に過るがしかし、甘えていいのなら、その好意に甘えない手はない。

「なら少しだけ、甘えさせて貰うが、……覚悟はいいんだな?」

「ん?かくご…?」

訝しげな表情を浮かべる陽華の首筋に、義勇は再度、甘えるように擦り寄ると、その首筋に優しく口づけた。

「ひゃあっ!な、何してるんですか!?」

「甘えていいと言うから、そうさせて貰っている。」

「でもなんか…ちょっと違っ……、うにゃっ!」

首筋をペロッと舐められ、おかしな声が漏れ出る。

(え?え?甘えるって、こんなかんじだったっけ?)

ぐずる弟をあやすように、抱きしめて背中を『ぽんぽん、よしよし』的な物を想像していたのに、まったく違う。

「変な声を出すな。これが大人の甘え方だ。」

「そ、そうなんですか!?な、なんか、刺激的ですっ!」

(…素直に、信用してしまった。)

純粋な陽華を騙すようで、少し胸が痛むが、あとほんの少しだけ……、

今日が終わったら、また任務任務の毎日で、ゆっくりと会えることはなくなる。柱はそれぐらい忙しい。

だから今は、少しでも長く陽華の温もりを感じていたかった。






/ 393ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp