第2章 情欲【※不死川実弥】
朝、実弥は味噌汁の匂いとともに、目を覚ました。
心地よい空気の中を微睡んでいると、ふいに誰かが、実弥の身体を揺らした。
「実弥、朝ごはん…もう昼近いだけど、出来たよ。ほら、起きて?」
静かに目を開けると、陽華が実弥を覗き込むように見ていた。
「……なんだ、これ。幸せか?」
「ん、何か言った?」
陽華が不思議そうに、実弥の顔を眺めると、実弥は我に帰ったように首を振った。
「そんな時間かァ。すまねェな、朝メシ作って貰って…、」
「誰かさん、昨日張り切り過ぎちゃって、ぐっすりだったみたいだから…。」
そう言って、頬を染める陽華にさらに幸せを感じながら、ふと全身を一瞥した。
「……つか、お前、なんつー格好してんだァ?」
実弥のTシャツ、一枚羽織っただけの陽華が首を傾げた。
「え?……だって、お泊りセットも何もなくて、来ちゃったから…。」
「あぁ、そうかァ。」
実弥は納得したように頷いた。
しかし、寝ぼけたふりをしながら、陽華の腕を掴むと、いきなりベッドの中に引きずり込んだ。
「きゃっ!」
「お前、そんなエロい格好してたら、襲われんぞォ?」
「…誰によ?」
「俺にだァ。」
そのまま、羽交い締めするように拘束すると、その柔らかな膨らみを両手で揉みしだいた。
「お前っ、何もつけてねェーのか?」
「いつも、家にいる時、付けてないもん。ちなみに下も今は履いてないよ。」
乱れた衣服からはみ出す、程よい肉付きのスラッとした太腿に目をやり、実弥は顔を赤らめた。
「……お前なァ。」
「だって昨日の夜、実弥が最後まで脱がせてくれないから、汚れちゃって…、今洗濯乾燥中なんだもん。」
「じゃ、今俺が押し付けたら、すぐ入んのかァ?」
「何、興奮してるのよっ!」
「興奮しなくても、朝なんだァ、準備出来てるわ。」
そう言って、身体を弄り、下半身を押し付けてくる。
「ちょっ…と、」
実弥は陽華の顎を掴み、自分の方に向かせると無理やり、唇を重ねてきた。