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【鬼滅の刃】屋烏之愛【新装版】

第12章 進物 後編【冨岡義勇】





屋敷の門を潜ると、目的の建物が現れ、陽華はその大きさに驚き、思わず建物を見上げた。

「思ってたよりも、立派な建物ですね?」

江戸時代の武家屋敷のような造りだが、高さは二階建てくらいはありそうだ。奥行きもかなりあり、中は相当な広さが窺える。

それと同時に、陽華に湧き上がる一つの疑問。

本当に自分は、一週間前にこんな大きな建物を見逃したのだろうか?しかしこの規模、一週間そこらで出来るもんでない。ということは、やっぱり見逃したのだろう。

(きっと、疲れてたんだな。)

とりあえず、そう思うことにした。

屋敷のど真ん中にある迷路の入り口に視線を向ければ、やはりそれなりの列が出来ていた。しかし奇妙なことに、列は入り口でぱっくり別れて、左右で二つの列が出来ていた。

「どうやら、入り口が二つあるみたいだな。」

義勇の言葉に陽華も頷く。よく見ると、入り口の真ん中に衝立があり、入り口が二つになっている。客を飽きさせないよう、多方面から楽しめる造りになっているようだ。

(どっちの入り口から入っても、鐘にはたどり着けるのかな?)

目的はそれなのだから、そうで無ければ困る。

そんなことを気にしながら、陽華は義勇と一緒に、入り口の手前にある入場券売り場に移動した。売場にもある程度人が並んでいた。

「券を買うにも、少し並ぶようだな。」

義勇が列を見ながら言う。その言葉に「そうですね」と返すと、陽華は売場の近く置いてあった看板に視線を移した。

看板には、迷路内での注意事項が何点か書いてあった。



①この迷路は、二人一組で挑んで頂きます。
②入り口は二つあります。お好きな方からお入りください。
③購入した入場券を入り口にいる忍者に渡して、入場してください。
④中は伽羅倶梨迷路となってます。屋敷内に散りばめられた伽羅倶梨の謎を解きながら、進んで頂きます。
⑤中には大きな音の出る仕掛けや、忍者達によるド派手な演出がございます。小さいお子様、心臓の弱い方は入場をお控え頂きますようお願いします。
⑥途中棄権される場合、中の忍者にお申し出ください。出口までご案内致します。
⑦最後に、どんなに驚いたり、謎が解けずに苛ついても、忍者達には危害を加えないようお願いします。






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