第2章 情欲【※不死川実弥】
「ちょ…実弥、待ってっ!私、先にお風呂に…」
そう言って離れようとする陽華の身体を、逃すまいと腰に回した手でがっちりと抑え込むと、陽華の身体に、興奮で猛った自身を擦りつけた。
「察しろォ!お前が欲しくて、こっちはもう、ガチガチなんだよっ!」
「ちょっ、何言って…んぅ…、んふぅ…」
さらに唇を貪り、割り開いた口内に滑りこませた舌を、陽華の舌に優しく絡ませる。
「んふぅ……」
陽華の鼻腔から、艶めかしい吐息が吐き出されると、実弥は唇を離した。互いの舌から伸びた唾液が、ゆっくりと下に滴り落ちた。
実弥は愛おしそうに、陽華の首筋に顔を埋めると、クンクンとその匂いを嗅ぎ取った。
「安心しろォ…お前の匂い、好きだァ」
そう言うと実弥は、陽華のスーツのジャケットを脱がし、スカートのフックに手を掛けた。
シュルッと音を立てて、スカートが落ちると、実弥は後ろの壁に陽華を追い立て、その唇に食らいつきながら、シャツのボタンを外し始める。
その手を陽華が掴んだ。
「待って!……せめて、ベッドがいいんだけど」
「ん?」
陽華にそう言われ、実弥は辺りを見回し、そこが玄関であることを思い出した。
「ま、そうだな…」
実弥は陽華をヒョイッと抱き上げると、寝室へと連行した。