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【鬼滅の刃】屋烏之愛【新装版】

第2章 情欲【※不死川実弥】





さらに数日が経ったある日の放課後。

(よしっ、やっと試験期間が終わったァ!明日は休日…今夜こそ…)

終礼をしていた教室から、職員室に向かう廊下で、陽華の姿を見かけた実弥は慌てて走り寄った。

「陽華っ、……氷渡先生!」

「不死川先生、どうしました?」

呼び止められた陽華は、優しい笑顔を実弥に向けた。

「(クソ可愛い……。)今日…」

そう言いかけた瞬間、実弥の後ろから、生物教師の胡蝶カナエが顔を出した。

「陽華先生!!」

「カナエ先生?」

カナエは実弥を押し退けるように陽華の前に踊り出ると、嬉しそうに話し掛けてきた。

「今日の予定、大丈夫よね?19時からなんだけど…」

「うん、大丈夫!」

カナエの問いかけに陽華が笑顔で答えると、実弥が怪訝そうな顔を浮かべた。

「ン?なんだァ、予定って?」

カナエは会話に入ってきた実弥の顔を見ると、いつもの感じで優しく微笑んだ。

「あら、不死川先生いたのね?今日ね、期末試験お疲れ様会を、女子だけでしようって約束してたのよ。」

(なにィーーー!!)

顔を引き攣らせる実弥に、

「なに?…不死川先生も参加したいの?」

カナエがそう問いかけると、実弥の額に青筋が浮かび上がった。

「行くわけねェだろォ!!」

「あら、怖い。そんな怖い顔してたら、陽華が怯えちゃうわよ。」

「アァ?(コイツ、また俺をからかって、遊んでやがんなァ!!)」

実弥がカナエを睨みつけると、カナエは勝ち誇ったように微笑み、

「不死川君、今日は機嫌悪いみたいだから、もう行きましょ?」

と陽華の肩を抱き、さっさと歩き出した。

その後ろ姿を見つめながら、実弥は怒りに拳を握りしめた。


(カナエの野郎、遣りやがったなァ!!クッソォ、今日こそはと思ったのに……)


実弥は諦めたようにため息を付くと、頭を掻きながら、窓の外を見つめた。



「あぁ、イラつく。……もうAVでも、借りて帰っかァ」






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