第2章 情欲【※不死川実弥】
昼休み
「不死川先生、失礼します!」
そう声を掛け、陽華は数学教員室の扉を開ける。
すると突然、伸びてきた手が陽華の手首を掴み、引っ張った。
「…え?……きゃっ!」
約束通り、数学準備室に資料を取りに来た陽華を、実弥は室内に引き込むと、鍵を掛けて強く抱きしめた。
「…ちょっと、しなず…が…んぅ!!」
驚いて、腕をジタバタさせる陽華の唇を無理矢理奪い、舌をねじ込ませ、口内を舐め回す。陽華が慌てて、実弥を引き剥がした。
「んぅ…っ…、不死川…先生っ!…ここ、学校ですよっ!」
「…も、黙れ。……こっちはもう限界なんだよォ…、んっ」
陽華を引き寄せ、再び強く抱きしめる。その口を自分の口で塞ぐことで黙らせると、ワイシャツの上から、陽華の柔らかな果実を揉みしだきはじめた。
初めは抵抗していた陽華だったが、口内を暴れまわる実弥の熱い舌の心地よい感触に、次第に己の舌を絡ませ始めた。
「んふっ…んっ…っ」
抵抗がなくなったと感じると、実弥は唇を貪りながら、陽華のシャツのボタンに手をかけた。
第2ボタンまで外した、その時だった。
ぴんぽんぱんぽーん♪
『不死川先生、理事長がお呼びです。至急、理事長室へお越しください』
実弥の責める手が止まった。
「…………あー!くっそっ!!」
名残惜しそうに実弥は、陽華の顔を見つめた。
「……不死川先生?」
陽華がジト目で見つめると、実弥は観念したかのように陽華から離れてこう言った。
「わーったよ!!…すぐ帰ってくっから、ここにいろォっ!」
陽華が頷くと、実弥は不機嫌そうに部屋から出ていった。
しかし結局、その昼休み中に実弥が戻ってくることはなかった。