第9章 睡眠【※不死川実弥】
そう言って、嬉しそうに微笑んだあと、強請るような視線を向ける。
「…でも、…めちゃくちゃ高いもの、選んじゃうかもよ?」
「お前なァ、俺を誰だと思ってやがんだァ。…風柱様だぞ?それなりに、稼いでるわ。」
そう言うと実弥は、陽華の背中に手を回して、身体をぐいっと引き寄せた。そのまま近づいた柔らかな二つの果実の谷間に顔を埋める。
「ちょっとっ…、」
「あー、気持ちいい。」
「………スケベ柱。」
「うっせ。あぁ、今日はもう完全疲れた。寝るから、てきとーに起こせェ。」
実弥がスリスリと谷間に擦り寄る。
「え?そんなとこで、寝ないでよっ!」
そう抗議するも、実弥はすぐに規則正しい寝息を立て始め、陽華は呆れたように、笑ってしまった。
「もう!本当に自分勝手なんだからっ!」
そう呟くと、実弥の頭に手を回して、優しく抱きしめた。
本当に自分勝手で、傲慢で、粗野で乱暴者で、口も悪くて…、最悪な奴だけど
でも本当はわかってる。誰よりも私を、家族や周りの人を大事に思ってるって…
だって、私の好きな人は、この世で一番、優しい人だから…
「そんなに無防備にしてると、今度は私が襲っちゃうんだからね?」
ふわふわの実弥の髪の毛に顔を埋めながら小さく囁く。すると、陽華の胸元で、寝たはずの実弥がボソッと呟いた。
「………それ、今度頼むわァ。」
「何よっ、起きてるじゃないっ!」
聞かれていたことに、顔を真っ赤にしながら、陽華は実弥の頭を軽く小突いた。
睡眠 完