第9章 睡眠【※不死川実弥】

「お前なァ、あんま心配させんじゃねェーよ。」

そう言って、陽華の柔らかな頬を撫でる。そのまま優しく頬を撫でていると、陽華は安心したように、その手に顔を寄せた。

その穏やかな顔に、実弥の顔が少しだけ緩む。

「…たくよォ。気持ちよさそーに、寝やがって…、」

そう言って、今度は頭を優しく撫でてやると、陽華の顔が実弥の方に傾いた。

その愛しい者の寝顔に、しばらくの間、見惚れる。

(…はぁ。…くっそ、可愛いな。)

そのプクッとした唇を、優しく指先でなぞると、口づけしたときの感触が蘇り、実弥の心臓が小さく跳ねた。

（…別に口吸いくらいなら、恋人同士なんだ、構わねェよなァ？）

喧嘩する前もしたし、別に行為に及ぶわけじゃない。

自分に言い聞かせるように頷くと、実弥は片手を付き、ゆっくりと陽華の顔に近づいて、その淡い桃色の唇にそっと口付ける。

再度唇に感じる、柔らかく暖かい感触。その気持ちよさに実弥の何かが、小さく反応する。

（……もうちっとだけ、）

実弥は角度を変えて、何度もその唇に吸い付くと、少し空いた唇の隙間から、舌を差し込んだ。そのまま、口内の感触を楽しむように優しく舐め回していく。

もちろん、反応が返ってくるわけじゃないが、それでも陽華の唇から、小さく艶かしい吐息が吐き出されると、実弥の下半身が疼き出した。

（……口吸いしかしてねェーのに、マジで勃ってきやがった。……なんつっても、久しぶりだかんな。）

実弥は少し考えると、気まずそうに頭を掻きながら、陽華の顔を見つめた。

「わりィ、少しだけだァ。」

そう言って、頭を下げると、その手を布団の内部へと差し込んだ。

実弥の手の平が、陽華の身体の上を優しく滑っていく。腹を擦り、目的の膨らみまで到達すると、浴衣の合わせ目から、手を差し込んだ。下着をずらし、その柔らかく大きな果実を手の平に、優しく包み込む。

恋人になれた者しか、その感触を楽しむことが出来ないその場所を、ゆっくりと揉みしだいていく。