第7章 22【※冨岡義勇】
「ちょ…ちょっと待て!」
慌てる義勇に、陽華は覆いかぶさった。その拍子で、後ろに倒れ込む義勇の顔を、陽華はペロペロと舐めだす。
「にゃー。」
艶めかしい鳴き声を上げながら、陽華の舌が義勇の唇を舐めだした。
「んぅ…、陽華、やめろ…っ…、」
舐められている間に、義勇も変な気分になってくる。
(こいつは今、普通じゃないんだ。)
恋人同士になってから、もうすでに何度か身体は重ねている。だが、正気を失っている恋人に、付け入るなど義勇の自尊心が許さない。
しかし、耐えるように閉じる義勇の口内に、スキを突いて陽華の舌が入り込んでくると、その心地よい感触に、義勇堪らずに口を開け、陽華の舌を受け入れてしまった。
「にゃ…んっ…ぅ…、んぅ…、」
陽華が義勇の舌を絡め取り、艶めかしい吐息を吐き出すと、もう止めることは出来なかった。
耐えきれずに、義勇は陽華の背中に手を回し、抱き寄せると、より激しく、舌を絡め、口内を舐め回す。
「んにゃっ…、ぅう…、」
あまりの激しさに、陽華が唇を離すと、義勇の唇の端から、どちらのものとも言えない唾液が滴り落ちていく。
唇を拭い、離れた陽華の顔を見ると、ハッと我に返った。
(……そうだった、こいつは今、)
今しがた、自身が起こしてしまった過ちを思い出した。
「すまない、陽華。お前は今、正常ではないというのに…、」
少しでも我を忘れてしまった自分を恥じる。上に乗る陽華を退かし、起き上がると、優しくその頭を撫でた。
「やはり、元に戻るまで、蝶屋敷で面倒を見てもらおう。このままでは、俺の理性が持たない。」
そう言って、微笑み掛ける。しかし、先程の口吸いで、義勇に雄を感じ取った陽華を止めることは出来なかった。
「にゃーー?」
艶っぽく一声鳴くと、義勇の脚の上に覆いかぶさり、一際雄の匂いを放つ場所を見つけると、鼻を近づけて、クンクンと嗅ぐ。
「陽華、何をしている!?」
不審な空気を感じ取った義勇が覗き込むと、陽華は、先程の口吸いで興奮し、半勃ちぎみのソコを、前足でゆっくりと擦った。