第67章 ❤︎ 治店長とバイト店員の初体験 宮治
「…っ」
不意にいちかの体が強張った。すぐに唇を離し俯き黙り込む。
「……どした?」
「狡い」
「何が?」
「だって…。治君、かっこいいもん。顔ええし体めっちゃ引き締まってるし、バスローブ脱ぐだけで色気増すし…っ。キスするだけで心臓持たへん」
「なんやそんなことか」
「私、裸見られるの分かってたけど自信なくなってきた…。なぁ…ちゃんと私に、欲情してくれる?」
あまりも可愛い心配事に俺は吹き出して笑った。こっちは冷静さを保つのに必死やって言うのに…。
「なんで笑うん?」
「そんなん心配せんでええから」
「ほんま?」
不安に揺れる瞳が上目遣いで俺を見つめる。たまらずにいちかの体を抱きしめて、そのまま柔らかなベッドへと押し倒す。
「今から俺に喰われんのやろ?」
「……うん」
「ちゃんと抱きたいって思ってこうしてるから」
こんなに積極的にことを進める自分がいるのは意外だった。いちかのことを可愛いと思ってしまったら、俺は本気で抱いてしまうと思う。でも本気で抱く以外の選択肢はない。
「もう余計な事は考えなくていいから」
「じゃあ…。もっと、キスして…」
「ほなもう一回、目、閉じて」
オレンジのライトがベッドサイドを照らして二人の体が重なった。キスをしては見つめ合って、また静かに唇を重ねる。夢の中のようなリアルに自分じゃないみたいで、慣れない荒いキスの快感に鈍くなった思考は微睡の中を彷徨う。
「…いちか、口、開いて?」
薄く開いた唇から舌が絡めて下唇をなぞる。体の力が抜けてきたところで肌を隠したバスタオルを解いた。
「あ、…待っ」
「待てへん」
すぐに目に入った薄ピンクの小さい突起を包み込むように右手で触れる。たったこれだけでもビクッと体は跳ね口はきゅっと噤む。