第67章 ❤︎ 治店長とバイト店員の初体験 宮治
「なんで?」
「なんか分からないけど夜逃げって聞いた」
「この時代に?」
「社員さんは社長が外国人の愛人作ったのが奥さんにバレて全財産持っていかれちゃったんだって」
「有り得へんやろ。いや、ないこともないか、このご時世」
「確かにそれは信憑性なけど。でもなんでか知らないけど潰れちゃったの。だからもしバイト募集してるなら雇ってくれない?」
「バイトなぁ…。今は俺一人でもなんとかやってけるし」
「短期間でもいいの。一週間とか」
「一週間言うてもクリスマスと被るで?」
「全然いいよ。私予定ないし」
「いちか、彼氏おったんとちゃうん?」
「いつの話してんの?もう別れたよ」
「そうなん?」
「高校卒業前には別れてたし。今も彼氏いないからクリスマスも予定なし」
「まぁ一週間くらいなら給料出せるか…」
「ほんま?ほな雇ってくれる?」
「レジとかやってくれたら助かるな」
「ええよ!私レジ打ちの経験あるからいけるよ」
「ほな一週間な」
「ほんま!嬉しい!!おおきにありがとう」
「やっと関西弁戻ってきたな」
「え?」
「標準語なんが不自然で別の女と話してるみたいやったわ。関西弁の方がいちからしい」
「私は関西弁丸出しはちょっと嫌やったけけど治君がそう言うてくれるならええかな。バイトはいつから入ったらええ?」
「明日からでもええで。好きな時間から入り」
「治君は何時から?」
「俺は朝の5時には店におる」
「じゃあ私も5時にくる」
「早いやろ」
「ええの、どうせすることないし。社会勉強したいし」
「ほな、明日朝5時に店で」
「ありがとう。ほなよろしくお願いします、治店長」
ってな流れで一週間という期限付きではあるけど俺といちかのバイトと店長という新しい関係が始まった。