第66章 ❤︎ 初恋は実らない　宮治

一度引き抜いていちかの弛緩した体を抱き抱えてうつ伏せに寝かせ腰を持ち上げた。赤く充血したところからとろりと白濁液が流れ落ちる。その光景だけで２回目の準備なんて余裕。首筋を甘く噛んで舌先で舐めながらもう一度そこにあてがう。

「待って、私、さっきから何回もイッちゃってて」
「何回でもイケばええやん。いちかん中締まると俺も気持ちええから」
「でも…っ、ひっ、ぁぁっ」

挿れる角度を変えれば感じる感覚も違う。1回目よりも強く感じる収縮に2回目の余裕はすぐに奪われてしまった。それでも繋がったその奥にだけ汗が流れ落ちていくのも気にせずに腰を振り続けた。

「やぁぁぁ、んっ、……あぁ、んっ」

乱れて喘ぎながら体を揺さぶらせていちかの胸も揺れ、両手で包むように揉みながら突起に触れる。ぷっくりと勃った突起を指で転がすだけでまた吐息が小刻みに震えた。

「あっ、あ、ぁぁ、ダメ…、…っちゃう」

掠れた声を最後に体は弓反りに仰け反り、その後ガクンと項垂れる。ギリギリまで引き抜いて奥へと押し込むように挿入するとじゅわと温かい体液が迸る。小さな声で〝ダメ…〟と吐き、泣いているように見える表情に自分の中の雄の部分が更に感度を上げる。

「俺もイクから…」

そう耳元で告げてまた最奥を目指して無我夢中で求め続けた。その瞬間に何を考えていたかなんて覚えていない。気が付けば自分も泣いていて、この空虚に残るわずかな感情が不安に押し潰される前に守りたくてベッドに崩れながら抱き締めて腕に力を込めた。

「治、泣いてる…？」
「どんだけいちかが好きなんか今になって思い知らされて、言葉の代わりに涙が溢れて止まらんねん」
「侑だけじゃなくて治を傷つけてばっかりでごめんね。治の気持ちは嬉しいのに、でもその気持ちに応えられる自分じゃなくて…」
「ちゃうねん。そんなんどうでもええねん。俺の我儘やから」
「え？」
「このままいちかを離したくない」