第66章 ❤︎ 初恋は実らない 宮治
冗談と本気の入り混じった言葉にじっと見つめるいちかが微かに笑ってくれた。その緩んだ隙間から流れてくる感情は甘くて心地よく心に纏わりついて、俺の存在がいちかに許されたような気さえした。首筋から胸、敏感に反応した脇腹を通って俺は躊躇うことなく太腿の間に入り込んで内側へキスをしてゆっくりと顔を埋める。
「待っ、そこは、だめ」
「なんで?こんなん別に普通やろ?」
「あっ、…っだって、そこ、汚い」
「そんなことない。俺にとっては綺麗やから。何があってもそれは変えられへん事実やから」
溢れてくる蜜を絡め取りながら舌を伸ばすと薄いヘアが鼻先をくすぐる。ふんわりと香る石鹸のような香りにすらクラクラする。小さな膨らみは舌先で転がしながら割れ目を指でなぞってぬかるみの奥へと侵入させていった。
「んっ、ぁああ…っ」
一際大きな嬌声が響いた。体を仰け反らせながらきゅっと目を瞑って快感に耐える姿は結果的に俺の欲を加速させるだけ。指を増やしてバラバラにかき回して中から溢れ出してくる蜜を吸い取る。全部素直に反応するのが可愛くて気まぐれにクリトリスを舌先で弄んだ。
「いっちゃい、そ、だから…。お願い、やめて」
「嫌や」
「聞かないで」
「いちかのその声ずっと聞いてたいねん」
「ん……、ッふ、ぁ」
「そう…。ええ子や…」
「はあっ、んん、……っ」
俺の愛撫に素直に反応して鼓膜を柔らかく甘く揺らす声に全身の細胞がざわめき立つみたいにいちかを感じる五感全てが快感で埋まっていく。それだけ俺はいちかが欲しかった。口に出せない分だけ、深く確実に愛していた。
「お、さむ…っ」
いちかの声を聞いた瞬間、感情が込み上げてきて泣きそうになった。この甘い声の先には今ツムでもなく他の男でもなく俺がいる。それがたまらなく嬉しい。
「どした…?」
「ごめ、っ、もう、無理…」
「何回も体ビクビクってなってるもんな」
いちかは何かに我慢するように何度も体をくねらせて吐息すら制限していた。
「……ごめっ、なさい」
「謝らんでええから。気持ちええならそのままでええよ」