第64章 ❤︎ 木兎光太郎はスローセックスを覚えた

「……こんなこと言っちゃいけないけど」
「ん…？」
「別の人に抱かれてるみたい」
「俺だから。もし他の男のこと想像してんなんならそれはダメ、許してあげない」
「大丈夫。どちらかと言えばもっと好きになってる、そんな感じだから」
「めちゃくちゃ嬉しい…。俺、泣きそーなんだけど」
「私も嬉しいんだよ？私のために頑張って我慢してくれたしこんな風に優しくしてくれるし」
「だっていちかに嫌われたくねぇし」
「嫌いになんてなれないよ」
「……うん」

それからどれくらい時間が経ったかは分からない。触れている互いの体は汗でしっとりと濡れ静かな室内に荒くなってきた吐息が響いている。

「ね、光太郎」
「どした？」
「もうちょっと別のとこも触れて欲しいかも」

いちかの言葉に心臓がばくばくと高鳴った。身体中に熱が広がっていく。

「いいの？」
「うん」

太ももから指を滑らせてぴっちりと閉じている股の間の奥の割れ目に触れる。そこは蕩けるように熱くてちゅく…と透明な愛液が指を包む。

「すげ…、濡れてる…」
「だよね。これは恥ずかしいな」
「俺は嬉しい。超、嬉しい。そんだけ俺としたいってことだもんな？」
「そうだね。今はしたいってすっごく思ってる」
「じゃあ俺もすっごくしたい」

じっと目を見つめて視線を合わせてどちらからともなく唇を合わせる。キスの合間に今まで触れなかった胸の突起に指先がかすめる。それだけでピクンと大きく体は跳ねて明らかに普段とは反応が違っていた。

「もっと触れていい？」
「うん」

唇から首筋、胸元から胸の突起へと口付けていく。小さな突起はピンと大きく飛び出し、愛液で濡れそぼった中の突起を指の腹で優しく撫でた。

「ひ…ぁっ、あ、あ……」

切なげに声を漏らす。ゆっくり優しく刺激を続けているだけで吐息が早く短いものに変わっていく。