第63章 ❤︎ これなんてAV? 宮侑・治
≫治side
床で寝そべって賢者タイム中の片割れに対してこいつは我慢言う言葉を知らんのかと呆れる。
「あー…、力入らへん」
いちかは果てた後は俺にしがみつくように体を預けたまま力なく呟く。
「言うてもイッたん一回くらいやろ?」
「…うん。でもな?それがガツンと気持ちよかってん。あんな強いの、飛ぶかと思った」
「それ絶対俺のおかげやん」
「そう言うと思った。でも今回は普段優しい治がちょっとSっぽく見えたんにかなりきたかも」
「あー…、俺も調子乗った。無理させてごめんやで」
「でも今はまた優しい。……ね、治、続きして?」
「ええの?」
「うん。侑は二回もイッて使いもんにならへんやろし」
「せやな。俺はいつでもいけるで?」
「ちょ、お前らだけずるい!挿れんのはずるいって」
「欲をコントロールできへんかったんは誰やねん。自分の責任やろ」
「後5分!そんだけあったら持久力も含めてリベンジできるから」
「嫌。許可なく顔にかけたことも許してへんのからね。うるさい侑は放っとこ」
「悪いなぁ…。そこで指咥えて見とき?」
面倒な絡まれ方が嫌やから普段は思ってても言わへん言葉も勝手に溢れてしまう。チッと舌打ちして“顔洗ってくる”と立ち上がり乱暴に部屋のドアを閉める。
「あーあ、拗ねちゃった」
「放っておいたらええねん。我慢も覚えないかん」
「床ですんの痛いから俺の上に乗る?」
「うん。でも治はええの?」
「ええよ。さっきはちょっと無理させたし」
「優しい…。あ、ゴムつけたげる」
机の引き出しから真新しい箱を出してビニールを破る。正方形の袋も躊躇のない慣れた手つきなのが少し引っかかる。