第59章 ❤︎ 射精管理 及川徹
最近やっと慣れてきた前戯でもいつもよりも圧倒的に興奮していて、挿れた瞬間にダイレクトに伝わる体温と柔らかな粘膜に包まれる感触。挿れたら最後、中途半端に抜くことはできそうにもなかった。
「ねぇ、いちか、締め付けたりしてる?」
「してないよ」
「本当?」
「そんなに気持ちいい?」
「こんなに絡み付いてくるような感じ初めてで」
「徹もいつもと動きが違う気がする」
「格好悪いけどあんま激しくすると出ちゃいそうだから」
「そんなに気持ちいならイッていいよ?」
いちかは涼しげな表情のままで俺のプライドが許さない。まだ出すな出るなってプレッシャーを与えても緩く動かすだけでも致命的だった。
「何考えてるの?」
「へ…」
「だって眉間に皺寄ってるもん。いつもそんな顔しないのに」
「そんなこと…っ、ないけど?」
「絶対嘘。いつもの余裕そうな顔じゃないもん」
「………ごめん、本当は数学の公式思い出してた」
“あはは…”と高笑う声に敗北感すら感じる。主導権は俺にあるはずのに完全に翻弄されている感じが悔しくて仕方ない。
「いちかは?気持ちよくないの?」
「私?いつもはゴムが擦れて痛くなる時があるけど今日は全然感じないから、こっちの方がいい」
「でも俺の方が無理。気持ち良すぎてすぐにでも出そう…」
「もう…?」
「そんくらいヤバい」
「分かった。じゃ、なんか会話しない?」
「へ?」
「そしたらもう少し持つんじゃない?」
いちかの意味ありげ笑いに嫌な予感しかしなかった。優しさでもなんでもない、俺の反応をただ楽しんでるだけ。