第56章 ❤︎ 射精管理 宮侑
いや待て。治といちかがヤった?マジでか。あいつ一言もそんなこと言わへんかったし全然変わった様子もなかったような気がする。けどあいつは俺も見たことないいちかの全部見たってことやし触れたってことやんな。俺の聞いたことない声で喘いで…?……は?
「あ、ちょっとおっきくなった」
「……うっさいわ」
「今の治には内緒やで」
「そんな理由で処女捨てんなや」
「優しかったからええの」
「そんなら俺に頼めや」
「そん時彼女おったやん」
「けど相談くらい…」
「それって嫉妬?」
「ちゃうわ、アホ」
「ちなみに私フェラってまだしたことないねん。どうする?」
「なんやねん、どうするって」
「私の初めてになる気ある?」
薄く色付いた唇と白い歯が誘う。弄ばれてるって分かってても中途半端のまま置き去りになった性欲はめちゃめちゃ残ったまま。
「一回萎えさせた責任とれよ」
「ん…。分かった」
じっと見つめて前屈みになってゆっくりと手を伸ばす。焦らされてるみたいで期待感にピンっと反り勃り反応する。
「可愛い。生き物みたい」
「そういうのええから。はよ舐めて」
さっきの名残のカウパー液が滲み出る。唇がその頂点へと触れて温かい粘膜に包まれていく。この感覚だけで腰は震える。
「……んっ」
前の彼女のへったくそなフェラなら経験済みやった。可愛い顔に惚れたのにすっぴんの咥えた時の表情が受け付けなくてそんなに気持ち良くもなかった。彼女に舐めてもらってるのに脳内ではセクシー女優を思い描く、そんな虚しさがあった。