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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第53章 ❤︎ 俺のものだから返してもらうだけ 及川徹


「今着てるこのドレスって誰が選んだの?夫君?」
「そうだよ。可愛いデザインで」
「いちか さんにはもっとシンプルな方がいいんじゃない?」
「そうかな?女の子ってレースとか沢山ついたドレスが好きなのかと思ってたけど」
「女の子がみんなレース好きな分けじゃないよ。こういうふわふわした感じよりも思い切って体のラインが綺麗に見えるようなドレスもいいんじゃない?」
「そっか。そうなんだ、早速アドバイスありがとう!」
「こんなのアドバイスでも何でもないよ」
「じゃあ次はシンプルなドレスを選んできてもらうから!スタッフの人に伝えてくる!」
「え?ちょっと」

まだ具体的なことは何も言ってないのに夫君は嬉しそうに部屋から出て行った。机に置いてあるこの電話でコールすればすぐにスタッフが来てくれるだろうにさ…。

「ったく…。そそっかしいところは変わってないな」
「はぁ…。夫君、突っ走り過ぎだよ」
「ほんとにね。いい奴なんだけどね。……で?いちか が一番選びそうにないドレスを着た感想でも聞いとこうか」
「嫌味っぽいね」
「俺だって来たくて来たわけじゃないからね」
「私だってこんなふわふわ系のドレス趣味じゃないし、後でやんわり断ろうと思ってたし」
「嫌って言えないの?」
「優しすぎる人だから」
「今からそんなんじゃ息が詰まるよ」
「それでもいい。夫君は私を幸せにしてくれる人だって思ってるから」
「幸せになれるの?」
「なるよ」
「そっか」
「うん」
「でもさ……、一ついい?」
「何よ」
「そのドレスを見た時、幼稚園児くらいの子がピアノの発表会とかで着てそうだなって思った」
「奇遇ね、私も同じこと思った」
「でも案外可愛いけど」
「そりゃどうも」
「こんなとこで何やってんだろうね、俺たち」
「ほんと…。馬鹿みたい」

諦めに似た感情に肩の力が抜けていく。一時の気の迷い、そうであって欲しかった。
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