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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第53章 ❤︎ 俺のものだから返してもらうだけ 及川徹


顔合わせといってもそれは表向きで酒豪が多い親戚にとっては数時間後には男性陣は酔い潰れ、女性陣は世間話に花を咲かせまともなのは俺といちか くらいだった。何となく気不味い空気にお手洗いへ…と席を立ったいちか を追いかけた。

料亭にある中庭には小さな池があって恋が二匹ゆらゆらと泳いでいる。お手洗いから出てきたいちか を呼び止めると驚いた顔をして振り返った。

「久しぶり」
「徹…」
「こんなとこで会うなんてびっくりしたよ」
「それは私だって同じだよ。まさか夫君の親戚に徹がいるなんて思わなくて…」
「ね、何の運命の悪戯なんだろうね」
「運命の悪戯も何もただの偶然でしょ?先に言っとくけどとりあえず式が終わるまでは他人のフリしといてよね」
「式が終わるまででいいの?」
「そりゃずっと隠しておいて欲しいけど徹にはあんまり信用ないからな。とりあえずは式が終わるまでは黙ってて」
「信用ね…。ま、あの頃よりは多少大人になったからさ、そこは任せておいて」
「お願いね。夫君の仕事にも影響しちゃうしちゃんと式と披露宴は成功させなきゃいけないから」
「責任順大だね」
「そういうこと」

客室から離れた中庭は静かで昔を懐かしむには丁度よかった。俺たち以外は誰も来る気配もなく付き合っていた時のこともまだちゃんと覚えてて、あの頃の二人を思い出すと胸が締め付けられた。
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