第52章 ❤︎ 彼女の機嫌をセックスでとる侑
寝室のベッドのど真ん中にいちかを寝かせるとそれだけでテンションが上がる。
「しないよ…」
「するって言うてるやん」
「やだ」
「ほな、その気にさせるから。力では絶対俺に勝たれへんのやから諦めとき」
いちかには悪いけど片手で両手を拘束して着衣を一枚一枚脱がせていく。また“やだ”と繰り返して身を捩らせて抵抗する。
「昨日みたいには無理矢理は絶対せぇへんから」
自分でも言うててあれやけど説得力が皆無すぎて笑けてくる。でも昨日の俺とは違う。今のうちに機嫌直してもらわんと朝飯も危うい。互いに全裸にななったところで布団に包まってぎゅっとホールドした。
「こうやって裸で抱き合うんが好きなんやろ?」
後頭部を優しく撫でてもいちかは無言のまま。
「そこ否定せんってことは好きってことやな。このまま黙ってても眠くなるだけやし話でもしよ?」
相変わらず返事はないけど少し顔を上げて俺をチラリと見た。やっと反応してくれたことに胸を撫で下ろす。
「俺、明日は朝から練習やけど早よ終わったら買い物でも行くか?身バレ嫌やから出かけんかったけどたまにはデートしたいし?……いちかはどうする?」
「…………行く」
「ん、そう言うてくれると思たわ。服も一緒に選ぶから、ほんまに機嫌直して?」
「服、買ってくれるの?」
「そんな高いもんやなかったら別にええで?」
「でも一緒に出かけてて身バレしてもいいの?」
「もうええやろ、別に…」
「なら行く。…デートする」
「ほなデートまでの時間、俺に頂戴…?」
閉じた小さな唇を塞ぐように口付ける。唇を割って挿れた舌でいちかの舌先に触れて喰むようなキスをする。