第52章 ❤︎ 彼女の機嫌をセックスでとる侑

「うん、正解。俺が悪かった。ほんまごめん…」
「侑の馬鹿」
「うん」
「侑の阿保」
「うん」
「エッチが雑すぎ」
「ほんまごめん」
「…………早漏」
「…………ちょお待て」
「何よ？」
「最後のは聞き捨てならんのやけど」
「……だって昨夜はめちゃくちゃ早かった」
「ちゃうから。昨日はたまたま生やったからやて。普段は知ってるやろ？」
「知ってるから、え？早…って思った」
「………そんなん言われたら格好悪いやん、俺」
「昨日は格好悪かった」

自分本意やったしそう思われても仕方ないけどストレートに言われんのも結構キツい。昨夜の俺がおったら殴ってるわ。

「ほな今夜はもっと濃厚なんしよか？」
「やだ」
「そうやって俺を煽るんはいちかも満足してへんからやろ？」
「そんなんじゃないもん」
「俺にはそう聞こえる」
「違う…」
「怒ったいちかの顔をめっちゃ好きやけど早漏ってのは上書きしておいてもらわなな？」

ってことでご機嫌がまだ斜めのいちかをお姫様抱っこで抱き上げて寝室のドアを足で開ける。先に冷やしておいたおかげでひんやりとした空気が包む。

「やだ。放して」
「放さへん。体が小さいからこうやって抱き上げたらどこでも連れてけるな」
「誘拐じゃん」
「ほな誘拐させて？いや拉致か？」
「どっちも嫌」
「ほな奪略…？」
「これじゃ昨日と同じ流れだよ」
「同じ失敗は二回もせぇへんから。今日はめちゃくちゃ気持ちよくさせるから。快楽落ちしても知らんで？」

昨日の一回じゃ俺やってし足りへんし“早漏”って汚名返上させてもらわなな？