第52章 ❤︎ 彼女の機嫌をセックスでとる侑
家に帰ったら彼女の機嫌がすこぶる悪かった。
何回声かけても素っ気ないし、夕飯に用意されたのは白米とのり○ま。機嫌を直そうといちかの好きなコンビニスイーツを買ってきてもテーブルに置かれたまま無視。
「なぁ、何怒ってん?」
「怒ってるの分かってるなら今は放っておいて」
「放っておけへん性格やからこうやって聞いてるんやん」
「じゃあ胸に手を当てて考えてみて」
「ほないちかの胸貸して?」
「最低。もう触らないで…」
伸ばした手を叩かれて乾いた音が響く。なんでこんな嫌われてんの?ってさすがに焦る。なんかやらかしたかなぁって思い返すと一つだけ思い当たる節があった。
「もしかして昨夜、いやいや言うてんのに無理矢理したから?」
いちかは何も言わない。ってことはビンゴ。
「昨日は確かにほぼ無理矢理やったわ。ちゃんと前戯もしてへんし」
「痛かったんだからね」
頬を膨らませて睨むいちかを(睨んだところで可愛いだけやのに)抱き寄せて史上最強に甘ったるい声で耳元で囁く。大抵の女ならこれで落ちてくれる…はず…。
「ほんまごめん…。昨日暑かったし頭ぼーっとしてて風呂上がりのいちかが可愛くて急にしたなってん」
「ギンギンにクーラー効かせてたでしょ?」
「ん?まぁそうやけど昨日やって熱中症なんとかアラート出てたからそのせいやろ?」
「午後から家でいたくせに」
そんなバレバレな言い訳通用するわけないの分かってるけど、いちいち突っかかってんのも不貞腐れてんのも可愛いしなぁ…。