第51章 ❤︎ 彼氏の性癖が歪んでいる件　黒尾鉄朗

「いろんな水着を物色するうちに…っ、男のロマンを求めるうちに……っ、とめどなく溢れだす欲望を阻止することができませんでしたぁ！！」
「開き直ってんじゃねーよ！！」

鉄朗の変態発言にすかさずぺしっとチョップをお見舞いしてやった。言葉よりも体が動いてしまうのはきっと本能の部分が動いている証拠。

「絶対着ないからね、こんなの」
「……ごめんなちゃい」
「可愛く言ってもだめ」
「着てくださいお願いします」
「嫌です無理です」
「なんでもします、いや、なんでもさせていただきます」

お願い、と珍しく必死そうな ( 諦めが悪いとも言えるけど ) 鉄朗が情けない。おかしいな、

「………例えば？」
「お望みがあればラ○ウが天に帰るようにいちか チャンをベッドの上で何回でも昇 t… 」
「それ以上言うと北○百裂拳を鉄朗の股間にブチかますけど？」
「それはあたぁ、あたたたた、になるからやめて」
「なら冗談はやめて。せめて普通の水着なら考えてあげても良かったんだけどな」
「だめ、そんなんじゃ。布の面積が多すぎる」
「普通はさ、彼女の肌が露出しないようにもっと隠せとか言うんじゃない？」
「その時代はもう終わったんだよ…。むしろお前の豊満ボディを見せつけてやりたい。俺がここまで育てました的な感じで」
「は？」
「要するに、だ…。ちょい見え、ちょい隠れってのがいいって男もいるかもしれねぇけど、本音の部分は布でギリ隠れてる、ってすけべ全開の方が下心を擽るの」
「全然わからない。私、男じゃないしそれに鉄朗の場合は下心が丸見えだし」
「下心との戦いは思春期以降の全男子に与えられた試練だかんな？下心という欲望と女の子に嫌われたくないという理性との狭間で仁義なき戦いを強いられてるんだからね。それはもう自分をすり減らしながら自分の気持ちを押し殺しながらそれでも僕は生きていると言わんばかりに自分を律するために。……そう、俺たち男子は勃起する」
「うん。最後の一言絶対いらない」