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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第50章 ❤︎ 何年たっても特別な日は変わらない 岩泉一


そして誕生日の後少し経ってから一君は2週間の遠征へと旅立った。

寂しさはあったけど私も仕事で忙しかったし慌ただしく毎日を過ごしていた。自分の体調の変化に気付いたのは一君が帰ってくる日の事だった。

「……嘘だろ?」
「それがね、はっきりと出ちゃいました」

昼過ぎには一君も帰ってきて久々の再会を喜んだのも束の間、取り出したのはいわゆる妊娠検査薬。陽性の説明書き通り、くっきりと線が現れている。

「ここに線が出ると陽性なんだ。…だから多分妊娠してる」
「つってもいつ……、あ、あん時…?」
「そう、一君の誕生日、酔っ払ってた日だと思うよ」
「マジかよ」
「ここ二、三日少し気分が悪い時もあったからもしかして…とは思ってたんだけどね」
「なんで言わなかったんだよ」
「だって検査したのもついさっきだし」
「マジで……、妊娠してんのか?」
「多分ね…。何?もう少し二人でいたかった?」
「いや、もうそろそろとは思ってたけど…、でも酔った勢いっつーのが情けない」
「まぁそれはね、今後はそういうことのないようにって事だよね」
「ごめん…」
「でも私も子ども欲しいなって思ってたし、私は嬉しいよ?」
「うん、まぁ、そうだよな」

下手な笑顔にため息をひとつ。

「……なんでため息?」
「自分がすげぇ情けねぇから。勢いだけでやって…、もうガキじゃねぇのに。ちゃんと考えるべきなのによ」
「そうだけど。私たちもう結婚してるしそこまで落ち込む事?」

よっぽどショックだったんだろうか。私にはそんなにショックを受けることには思えないんだけど…。

「子どもが出来たのは?嬉しくないの?」
「それは嬉しい。でも…全然実感が湧かなくて」
「一君が休みの日に病院行く予定入れるから。妊娠確定したら実感湧くんじゃない?」
「確かにそうかもな。……ああ、でも…ほんとびっくりしたわ」

“ふぅ…”と一息つきながらソファーへ座り体を伸ばす。
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