第50章 ❤︎ 何年たっても特別な日は変わらない 岩泉一
乾杯の後は食事が始まってお酒も進み盛り上がっていく。ひとしきり食べて飲んだ後はペースも落ち着いて各々の近況報告会。
及「そういえばこの家に引っ越したのも最近だったっけ?」
「つい2ヶ月前」
松「いい家だよな。ローン?」
岩「当たり前だろ?35年」
及「じゃあ死ぬまで働かなきゃだねー」
岩「その言い方やめろ」
「できるだけ繰り上げ返済したいけど…。先は長いよね」
花「いいじゃん、二人で頑張れば。今は共働きが当たり前なんだし」
「そういえば花巻のところの奥さんって今まだ育休中だよね?」
花「そう。でも再来月復帰予定だから今は保育園グッズ作るの頑張ってる」
「もうすぐ一歳だっけ?花巻に似ず目が大きくて可愛かったもんね」
松「女の子なのに奥さん似なのな」
花「むしろそれでよかったし。俺と同じ顔の女の子ってなんか申し訳ないだろ」
及「なんでそこネガティブ?俺は俺に似た女の子が欲しいけどね」
岩「その前に彼女いねぇだろ」
及「だから誰か紹介してって言ってるのに」
岩「自分で探せ。俺の職場は男ばっかなんだよ」
及「じゃあ女の子入ってきたら優先的に紹介してね」
岩「そういや次50過ぎのパートのオバちゃんが入るとか…」
及「うん、前言撤回で」
松「いちかはどっちが欲しいとかってあるの?」
「んー…、まだ全然考えてなかったけど男の子かなぁ」
及「岩ちゃんにだけは似ちゃダメだよね」
花「確かに。いちかに似るといいな」
岩「お前ら俺を祝いに来たんじゃねぇのかよ?貶しに来たのか?」
及「何言ってんの。こうやって酒飲みながらお祝いしてんじゃーん。岩ちゃん28歳のお誕生日おめでとー!」
花「おめでとーう!」
岩「ノリだけはいいな。相変わらず…」
「まぁいいじゃん。及川だって高いお酒わざわざ買ってきてくれたんだから」
松「なんだかんだ副キャプテンは愛されてんだよ」
岩「何年前の話してんだよ」
「でもこのメンバーで集まると高校時代の事思い出しちゃうよね。懐かしくなっちゃう」
松「そう言えばさ、この料理っていちかが全部作ったの」
「そうだよ。お義母さんにレシピ書いてもらって」
岩「んな事してたのか?」
「だって誕生日だし。私も作れるけど微妙に味付けって変わるじゃない?だから今日はちゃんとイチから作ったの」
