第50章 ❤︎ 何年たっても特別な日は変わらない 岩泉一
花「誕生日にみんなが集まるって岩も愛されてんなぁ」
及「岩ちゃんだからねー。丁度こっちに帰って来てたし誘われたら断れないよ」
松「高校以来だな。岩といちかがずっと続くだろうと思ってたけど予想通りちゃんと結婚したんだもんな」
「もう半年前だけどね。引っ越しもあったからあっという間だったけど」
花「どう?新婚家庭は」
「そりゃあ…、楽しいよ?」
松「あんだけ長いこと一緒に居たのに飽きないもんなんだな」
及「飽きるって何?一緒に居た時間が長いだけ愛が深くなるもんなんじゃないの?」
松「夢みてんなぁー。俺は修羅場が多過ぎて何も生まれない」
花「それはまっつんが特殊なだけだろ?」
「松川もさー、少し落ち着いたら?せっかくモテるんだから勿体ないよ」
松「俺はまだ真実の愛ってやつを知らないだけ」
及「まっつんも夢見てるじゃん」
けらけらと及川が笑いながら隣の花巻がうんうんと頷く。丁度その時玄関の扉が開く音がして“ただいま”と声がした。
岩「あれ?なんでお前らがいんの?」
リビングへ入ってきた一君は驚いた様子で私の方を見る。私が“お誕生日おめでとう”と伝えると口々に祝福の言葉が並ぶ。
岩「マジで?このためにわざわざ来たのか?」
花「愛する岩チャンのためだからねー」
及「そうそう!おめでとうついでに飲みたかっただけだけどねー」
松「いちかにも会いたかったしな」
岩「全然知らなかった…。だから今日じゃなくて明日休みとれって言ったのか?」
「そう。久しぶりだからみんなでゆっくり飲んでもらおうと思って。みんなも休みとってるって」
岩「マジかよ…。そうなら酒買っとくんだった」
及「ちゃんと買ってるから。しかも一番高いやつだからね!みんな味わって飲んでよね」
松「稼いでんなぁ」
及「こんな時くらいぱーっと使わないとね」
岩「さんきゅ」
及「ま、幼馴染み代表としてね」
「じゃあ先に乾杯しちゃおうか?料理も冷めるし」
岩「そうだな。いちかも色々と準備ありがとな」
嬉しそうに笑う表情を見てるだけで私まで口元は緩む。乾杯用のシャンパンを開けながらまたこうして再会出来たことに幸せを感じていた。