第48章 ❤︎ 処女相手にあまぁいセックスをするイケオジ岩ちゃん
初めて入ったホテルの一室は全体的にダークブランの部屋で真ん中にベッド、皮のソファー。消臭剤の残る乾いた空気。そして今まで見た中で間違いなくいい男が目の前にいる。
「どうしたらいいんですか?」
「2時間、テレビでみ見てるか?」
「嫌です」
「んじゃ風呂入ってこい。冷えただろ?」
「先に帰ったりしませんか?」
「するわけないだろ?」
「よかった。」
「途中で気が変わったらそれでいいから。…お前も少し頭も冷やしてこい」
今更そんな優しさ狡い。でも私が好きな先輩っていつもこうなんだ。誰も責めずにさり気なくフォローしてくる優しさ。でも今は優しさなんて要らない。
「酔いが全部覚めちゃったとしても私の気持ちは変わりませんから。先、入ってきますね」
豊富なアメニティグッズの並んだ洗面台、だだっ広い浴室はひんやりとしていて化粧のとれかかったほぼ素顔に近い自分の顔が鏡に映る。自分でもびっくりするくらいに迷いのない表情で、ずっとこうなりたいって思ってたんだって初めて自分の本当の気持ちに触れた気がする。
自分の想いはきっと叶わないけど好きだった人に抱かれる。熱いシャワーで冷えた体を温めなくても早くなる心臓の音だけで全身の熱が上がって発熱しちゃいそう。冷静でいたいのにとても思考が追いつかなくてパニック寸前ってギリギリの状態だった。