第47章 ❤︎ 岩ちゃんだって男の子なんだもん
昼休みが始まりいつものようにと二人きりで昼飯。普段部活で忙しい俺にとっては90分の休憩はとゆっくりできる貴重な時間だった。今日は中庭も生徒もあまり見かけなくて普段より二人の距離も近い。弁当も食い終わってキスくらいしてぇなって欲がちらつき始めた時、いちかが“あのね?”と切り出した。
「及川君達から聞いた?」
「何を?」
「プレゼントの中身」
「あのね?持ってきてるの…、それ」
「何だったんだ?」
「……際どい、というか透けちゃってるんだけど、……女の子用のえっちな下着だったの」
思いもよらない衝撃過ぎる言葉に思わず吹いた。それはもう盛大に。
「一君はそういうの興味あったりするの?」
ねぇわけねぇだろ!って即否定したいけど正直めちゃくちゃ見たい。一気に高まった期待感に嘘もつけず、否定するタイミングを見失ってしまう。
「それでね」
「何だよ」
「履いてるの、今……」
は…………?
「私たちも付き合って3年目だし、その…、マンネリ?とかそういうのなっちゃだめかなって思って」
「今履いてんのか?進行形でか?」
いや進行形ってなんだよ。意味分かんねぇし。
「それ、誰にも見られてねぇよな?」
「…うん。それは大丈夫」
「ちょ、お前、心臓に悪いから……。透けてるって、マジかよ」
「うん。サイドは紐だったし」
「…………紐」
そんで復唱するな、俺。テンパり過ぎだろ。
「一君は見たい?」
「……それ、俺に見せるために履いてきたんだろ?」
「…………うん」
「……見、……てぇ」
葛藤なんてくだらねぇ。糞くらえだ。
周りに誰もいないのを確認して恐る恐るスカートを託し上げる。面積の狭いピンク色の薄い布生地は制服に似合わない際どいもので、制服姿、童顔な顔つきの彼女、そのギャップに薄っぺらい理性なんて一瞬で崩れ去った。
……もう俺の負けでいい。