第47章 ❤︎ 岩ちゃんだって男の子なんだもん
一週間前が丁度の誕生日だった。いつものメンバーで誕生日を祝った後は二人きりで過ごす、それは付き合って三年目もいつもと変わらない日常だった。だけどいつも面倒ごと吹っ掛けてくるのは大抵は外野の連中で今回だって例外じゃない。
余計な事はすんなって言ってやりてぇけど男同士にしか分からねぇ性事情には結局逆らえねぇんだよな。彼女を目の前にすると理性なんて薄っぺらい紙切れみたいなもんなだよ、俺にとっては…。つーか男ってそんなもんだよな。
「楽しかったね。誕生日会。やっぱボーリングにして正解だったね」
「そうだな。次の日腕が痛いっつってたけどな」
「岩ちゃんもいいところ沢山見せれたし良かったんじゃない?ま、手を抜いてあげた俺に感謝してよね」
「んじゃ今度サシで勝負するか?」
「またそうやって熱くなる。どうせあの後二人きりでいちゃいちゃしてたんでしょ?」
「するだろ、普通」
「そうだよねぇ。あーあ、ほんと羨ましい限りだよ」
「だったらもっと自分の彼女を大事にしろよ」
「そうだね。そこだけは岩ちゃんを見習ってって、そうそう。あの日渡せなかったプレゼント、次の日に渡しておいたからね」
「そうか、悪いな」
「ちゃんも無事に18歳になったんだし岩ちゃんたちが楽しめるようにってまっつんとマッキーと知恵を絞って選んだんだからね」
「つーことは絶対ろくなもんじゃねぇだろ、それ」
「男なら誰もが喜ぶものだよ。岩ちゃんたち付き合って3年目でしょ?そろそろヤバいよ?」
「お前んとこはいつも3か月ももたねぇじゃねぇかよ。まぁお前が一方的に振られてるだけだけどな」
「それは関係ないから。俺たちはね、岩ちゃんたちのことを思って」
「で?何やったんだ?」
「それは直接ちゃんの口から聞いて?」
「また面倒くせぇことしやがって」
「こういうことは焦らしてなんぼでしょ?」
「はぁ?どういう意味だそれ?お前、何やったんだよ」
「言っとくけど何にもしてないから!変な事もしてないからね」
「当たり前だ、馬鹿」
その時は結局何をプレゼントとして渡したのかも分からないままだったけど結論から言えば選んだお前ら最高かよ…と言わざるを得ないもんだった。絶対言わねぇけど。