第46章 ❤︎ 超絶信頼関係 岩泉一 及川徹
「……っ、んぁ」
「声出したらバレんぞ」
「や、だ…。でも、…」
「ちゃんと我慢しろよ?じゃねぇとお仕置きになんねぇんだから」
何言いたそうに俺を見つめる瞳が欲を加速させていく。誰かに気付かれたらどうする?って思いとは裏腹に強弱のスイッチを操りながら反応を視姦するように愉しんだ。
「……適当に、お菓子選んだから…っ、ね、これでいい?」
籠の中には数種類のスナック菓子。中身なんて今はもうどうでもよくていちかに寄り添うように近づいて耳元で囁く。
「今、すげーやらしい顔してっけど?」
「早く…、帰りたい…っ」
「イキそうか?」
「ん、…っ、そうなの。だから、もういい、でしょ?」
俺としては物足りない。とは言え人前でイカされるのも、いちかの蕩け切った表情を俺以外の男に見られるなんて論外だ。
「じゃあさ、あそこの雑誌、なんでもいいから一冊取ってきてもらおうかな?岩ちゃんも雑誌読みたいよね?」
「…ああ、そうだな」
「でも、あそこ。お客さんいるよ」
「だからいいんでしょ?あのおじさんさっきから18禁コーナーでいるよね。どうせならエッチな本取ってきてもらおうかな?勿論、いちかちゃんがエッチな事してるってバレないようにね」
相変わらずやること鬼畜だし、俺の彼女だってこと分かってんのかよ…。
「そんな本、無理…」
「だーいじょーぶ。あのおじさんがなんかしてきたときはちゃんと守ってあげるから」
「そういう、事、じゃない」
「おっさんに気付かれるんじゃねぇぞ?」
「無理、だよ…、だって、」
「後でたくさんイカせてくれるから…。だから行っておいで?」
「このままスイッチ入れたままにしとくから。…早く行ってこい」
「……っ、はい」
こんなに従順ないちかを見るのも初めてかもしれない。そしてそんな姿に興奮しこれまでとは真逆な支配欲が俺を駆り立てていくみたいだった…。小刻みに震えながらおっさんの隣に辿り着き、“すみません”とか細い声を出す。短く呼吸をしながらいちかの手に取る本に驚いた様子のおっさんが凝視し、紅い顔をしたいちかが視線に耐えながら不安定に歩いてくる姿に釘付けだった。