第46章 ❤︎ 超絶信頼関係　岩泉一　及川徹

「お前、向こうでも振られてんのかよ」
「振られる気なんて全然ないけどね！ああもう飲もう！やっぱり今日は限界まで飲もう」
「上等。お前の女運の無さに乾杯って事で」
「次帰ってくるときは彼女連れて帰ってくるから」
「言ったな？」
「宣言しとく…」
「じゃあ約束破ったらなんか奢れな」
「いいよ？絶対有言実行してやるから」

グラスに入った日本酒をぐいっと一気に飲み干す及川。俺もかなり酔ってきたのか、こういう風に及川と飲むのも悪くねぇなと思っていた。

「やっぱ日本がいいや。お酒も美味しいし」
「もう味なんて分かんねぇよ」
「岩ちゃん飲みすぎだから。…でもさ、日本酒って結構キツイよね」
「色んな酒飲んでるから悪酔い確定だな」
「一旦休憩しない？いちかちゃん戻ってくるまででいいからさ」
「そうだな。俺も結構ヤバイ…」
「ちょっと横にならせてぇ」
「寝んなよ」
「岩ちゃんこそ」

ひんやりと冷たい床に寝転がると天井がぐるぐると回るような感覚。目を閉じれば特有の浮遊感に意識を持ってかれそうになる。二日酔いは確定だな…と後悔してもすでに遅い。そんなことを考えていたいちかが戻ってくるまでのわずかな時間の記憶はなかった。