第45章 ❤︎ もしも岩ちゃんがスイミングインストラクターだったら…
家に着くと寝静まっていてしんとしている。何度も家に来てるから一君もすっかり慣れている様子だ。
交代でお風呂を済ませて客間に案内したのはいいのだけど、そのには二組の布団が敷かれていた。
「ってお母さん、なんで私の分の布団が…」
「俺って警戒されてないのか?」
「というより信頼され過ぎじゃない?ったくうちの親も親だよね。なに考えてんのよ…っ」
「ありがたいけどさすがにな…」
「ね…」
「どうする?」
布団の上に座り込む一君に手を引かれて向かい合うように膝の上に座る。久しぶりだし甘えたい気持ちは
「どうするって言われても…」
「警戒すんなら今のうちだぞ?」
耳朶にキスをするように唇を寄せ低いトーンで呟く。こうなることは予想できていたけど、久しぶりの感覚と甘い誘いに鼓動は早くなる。
「……するわけないじゃん。一君のことずっと待ってたんだから」
じっと見つめて肩に腕を回した。薄いTシャツの生地から伝わる体温は風呂上がりのせいなのかいつもより熱を持っている。
「ごめんな?待たせて…」
声が心地よく耳に触れて、目を閉じれば柔らかな唇が触れて迎え入れるようにふわふわの布団に沈んでいく。
一ヶ月半…、いや二ヶ月ぶりかな、こうやって体を重ねるのは。変わらず優しすぎるキスをくれるのは一君だけだ……。