第45章 ❤︎ もしも岩ちゃんがスイミングインストラクターだったら…
「…ふふっ」
「…何だよ?」
「一君から同じシャンプーの匂いがするから」
「そうだな。いちかも同じ匂い」
「それだけでもこんなに嬉しいんだね」
「…寂しかったか?」
「寂しいに決まってる…、寂しすぎて仕事がめちゃくちゃ捗ったもん」
「なんだよ、それ」
「連休の休み確保するためにね、すっごく仕事頑張ったの。だから褒めて?」
「ありがとう…。こうやって会えるのもいちかのおかげだな」
甘い言葉に頭から指先まで幸せに浸ってるような感覚。でも体の中心はしっかりと熱を持ち始めて甘い刺激に期待してる。
「嬉しい。……じゃあちゃんと私も味わって?」
「煽んなって…、こっちだって我慢してんだから」
「知ってる。だって当たってるもん…」
「だったら覚悟しとけよ」
「うん…」
始まりのキスは合図のように交わされて深みを増す口づけが徐々に思考を奪っていく。長いキスの後はなにも考えられないくらいに翻弄されている。
「もうとろんさせてるじゃねぇかよ」
「…一君の所為だもん」
Tシャツの下はなにも身に付けていなくて露になった胸の突起を円を描くようになぞっていく。
「…、んっ」
自分の意識とは反対に体は素直に反応する。指を絡めて肌が重なればそこから徐々に熱は広がっていく。
「物欲しそうな顔してんな?」
「…だって欲しいもん」
満足そうに微笑んだ表情が苦しいくらいに愛おしくて、胸の奥がきゅんと鳴った。