第42章 ❤︎ ラブコール　岩泉一

「……なぁ」
「んー…？」
「イカせて欲しいんだけど…」
「いいよ？私の口の中で沢山出して？」
「いいのかよ」
「私の口でイって欲しい…。」

どこまで俺を翻弄したら気が済むんだよと思いながらいちかの後頭部を軽く押さえてもう一度咥えさせた。

苦しそうな表情、赤くなっていく頬、漏れる吐息。動きだけじゃ物足りなくて自ら腰を振ってしまう。思えばお互いの部屋以外でしたことなんてなかったし、まるでAVのようなシチュエーションについいちかを犯しているような錯覚さえ覚える。

俺のを必死に咥えてそれでも欲しいと舌で追う。優しくしてやりたいのに自分の欲の方が上回ってしまう。

「…っ、も、……出る」
「ん…、ん、く…っ」

口の中に白濁液を自分勝手に吐き出す。冷静になった途端、罪悪感に苛まれながらいちかの体を支えて抱き締める。

「悪い…。抑えられなかった」
「……けほっ。…うえ」
「だから無理すんなって」
「…………んーん、大丈夫。…てかいつもより濃い？苦い…」
「悪い…。抜く暇もなかったから」
「じゃあこのままもう一回くらいいけるよね」
「いける…けど。おい、無理すんなよ」
「今日は私がゴムつけてもいい？」
「マジ…で？
「やってみたいから」

ポーチの中から取りだした小さな袋は、確か花巻が一番いいとか言ってたメーカー。とは言え俺も同罪。むしろこのシチュエーションを楽しんでる自分さえいる。

いつも見せないいちかの仕草や表情にもう少し溺れていたい。

ぎこちない手つきで根元までゴムを下ろしていく。まじまじと見られてるのがなんと言えない複雑な気分にさせる。