第41章 恋する細胞 岩泉一
そう言われても私だって悪気があって岩泉君についていったわけじゃないし、この人達にそんな事を言われる筋合いもない。でも私に友だちがいない理由が分かるって、それって私自身の問題が大きいって事なんだよね。
「私はどうしたらいいですか?」
「とにかく岩泉とは関わらないで。私たちも同じクラスだからね、ちゃんと見張ってるから」
「話は?」
「必要最低限にして」
「分かった?」
「……うん、……分かった」
結局その日は体育館へ行くことは出来なかった。
自分のこの性格のせいで友だちが出来ないんだもん、自業自得。賑やかな教室に一人で過ごすのはこんなにも苦痛だったんだ。ここ何日が楽しかったから、一人が余計に辛く感じる。
後になって気がついた。あの子も岩泉君の事が好きなんだろうかって。だったら私みたいなちんちくりんが付きまとってるの見たら迷惑だと思うよね……、うん、分かる。分かるけど………、やっぱり辛いな。