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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第41章 恋する細胞 岩泉一


昼休みも残り半分。体育館は誰もいなくてしーんと静まりかえっていて、ボールの跳ね
る音に懐かしさを感じる。

「誰もいないんだね」
「今は朝練もやってるから。俺くらいじゃねぇの?」
「そうなんだ。…バレー好きなんだね」
「嫌いになれねぇだけだよ」
「それを好きって言うんじゃないの?
「いちいち好きなんて考えてねぇからな。ただ負けたくねぇし勝ちてぇだけだ」
「青城バレー部って確か強いんだよね。全国レベルなの?」
「……手が届く位置にはいるんじゃね?」
「そっか」
「だから練習。特に俺みたいに秀でた才能がない奴は努力で勝ち取らねぇとな…

そう自分に言い聞かせるようにボールを弾ませる。そう言えば幼稚園の頃も園庭で虫を追いかけて走ってた記憶がある。先生に怒られるまで追っていた小さな背中と重なる。

「じゃあちょっとボール投げるの頼むわ」
「…うん。分かった」

高く投げたボールは床に叩きつけられて大きく跳ねる。打点の高さ、迫力は女子とは全く違って目が釘付けになる。籠の中のボールを取る度にドキドキしてしまって、なるべく顔には出さないように集中してトスを上げた。
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