第40章 ❤︎ 電車の中のハプニング 鎌先靖志
「……はぁぁ…っ、んっ」
触れた瞬間に体が跳ね甘い声が漏れた。舌先に触れるのはトロトロと溢れる蜜で、まだ触れてもいないのにツンと突けばとろりと溢れ出る。俺は崩れていきそうな理性の裏側で独占欲、支配感が静かに思考をコントロールし始める。
「いちか…、感じてんの?」
「だっ、て…先輩」
「まだ触ってもねぇのに濡れてんぞ?」
いやいやと首を横に振っても可愛い抵抗にしか見えない。今日初めて触れたソコは温かくてすんなりと指を受け入れる。ゆっくりと出し入れを繰り返すと愛液が指に絡みその度にいちかが顔を顰めて声を漏らした。
「…先輩っ、ごめんなさい」
「なんで謝んの?」
「消毒なのに、私…」
「…なに?」
「先輩が欲しくなる…」
俺を見下ろす瞳が潤んでいる。髪の毛が濡れ白い肌がシャワーの熱気でほんのりと色付いててこの瞬間のまま俺ずっとだけを欲していてほしい。
「ベッドまでも待てねぇし、もう冷静になんて慣れないから」
「いいです」
「じゃこのまま挿れるから」
「…うん」
いちかを立上がらせて背中を抱き足を開かせた。浮かせた尻の中心から硬くなった自身を充てがいそのまま奥までゆっくりと腰を進める。
「ぁ、ぁぁ…」
「……っ、」
熱くねっとりと絡みつく粘膜が迎えた。いつもとは何がか違う快感に酔いしれてしまう。雑な性格だから相手を気遣うなんてできない分、普段はできるだけ優しく無理させないようにとちらかと言えば俺自身が抑えていた部分があった。だけど今は独占欲に拍車がかかり、もっと深くで繋がっていたくて俺だけのものにしておきたかった。
「お前はっ、俺だけのモンだからな…っ」
ぐったりと項垂れるいちかの体を支えながら絞り出すように呟く。
「もう絶対誰にも触れさせねぇ…」
それは自分自身にも言い聞かせるように噛み締めた。深い交わりの中で切なさも愛情も独占欲も全部吐き出すみたいに俺は一番奥で体を震わせた。